top of page
検索

第9回 建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度とは~人材確保と処遇改善で“選ばれる会社”をめざす~

中村
7月29日
読了時間: 3分

建設業で働く技能者(職人)は、現場の最前線で活躍する大切な戦力です。


しかし、慢性的な人手不足や高齢化、若手の定着難など、建設技能者を取り巻く環境は依然として厳しいものがあります。このような課題に対応するため、国土交通省は「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」をスタートさせました。





■ 1. 制度の目的と背景



この制度の目的は、技能者の処遇改善や働き方改革に積極的に取り組む企業を対内外に宣言することで、その取り組みをサプライチェーン全体で評価し、建設業全体の好循環につなげることです。



制度によって期待される効果は主に次の3点です:


        •       技能者に選ばれる企業になる


        •       受注機会の確保やブランドイメージ向上


        •       処遇改善の取組が持続される仕組みづくり



これにより、建設技能者の確保・定着、技術継承が進むことが期待されています。





■ 2. 自主宣言とは何をするのか?



自主宣言を行う企業は、以下のような事項について自社の方針や取組内容を宣言します


        •       適正な労務費の確保と処遇改善への取組


        •       建設キャリアアップシステム(CCUS)の利活用


        •       適切な工期・労務管理で技能者を大切にする姿勢


        •       技能レベルに応じた賃金や手当の制度設計


        •       週休2日制や月給制の導入などの働き方改革対策


        •       安全衛生や技能継承への支援・教育体制の確立



このように、単なる宣言だけでなく、実行可能な具体的な取り組みを企業が打ち出すことが重視されています。





■ 3. 宣言するメリットとは?



制度に参加することで、建設業の企業には次のようなメリットがあります:



● 企業の可視化・PR



宣言企業はシンボルマーク(愛称:職人いきいき宣言)や宣言内容を自社HPや名刺、現場掲示などで利用でき、ブランド力向上につながります。



● 受注機会の拡大



建設技能者からの評価だけでなく、発注者やエンドユーザーにも“技能者を大切にする会社”として選ばれる機会が増えます。



● 経営事項審査(経審)での加点対象に



制度は2026年7月以降の経営事項審査において加点対象となる仕組みが導入されます。


加点により公共工事の受注競争力が高まる可能性があります。





■ 4. 宣言の進め方は?



自主宣言は、国土交通省のポータルサイトから申請手続きを行うことでスタートできます。


申請時には以下の点に注意してください


        •       宣言は企業の代表者名義で行う


        •       宣言内容・取組開始日は公開情報となる


        •       宣言内容を根拠ある形で運用・公表する必要がある



申請後、宣言企業は制度のポータルサイトに掲載され、社会的に評価される形になります。





■ 5. 建設業の経営者にとってのポイント



自主宣言制度は、単なる施策ではありません。


建設業が直面する技能者不足・処遇改善・働き方改革の解決につながるチャンスです。



経営者としては、


        •       所定労務費の内訳を適正に明示


        •       安全衛生・教育体制の整備


        •       ICT活用や人材育成計画の策定


        •       賃金・休暇制度の見直し



など、自社の取り組みを整理し、効果的な宣言文と運用計画を作ることが重要です。





■ 6. 和泉事務所からのご案内



私たち和泉事務所では、建設業における技能者の処遇改善や人材確保を支援するサポートを行っています。


        •       CCUS活用支援


        •       経営事項審査(経審)への活かし方アドバイス


        •       労務管理や賃金制度の見直しの助言




技能者から選ばれる会社づくりの一歩を一緒に進めましょう。

 
 
 

最新記事

すべて表示
第8回 それ、本当に「現場労災」ですか?

建設業の労災と聞くと、多くの経営者の方は 「工事現場での事故」を思い浮かべるのではないでしょうか? もちろんそれも労災ですが、実は建設業には 「事務所等の労災保険」という見落としがちな考え方があります。 今回は注意すべき事務所等労災のポイントを分かりやすく解説します。 ■ 1. 建設業でも「事務所労災」が必要になるケースとは? 建設業の労災保険は、原則として 工事ごとに成立する「有期事業」 とし

 
 
 
第7回 新年は“事務管理の再スタート”が最重要~建設業のための労務・安全書類の見直しポイント~

新年あけましておめでとうございます。 建設業界では年末の慌ただしさがひと段落し、気持ちも現場もリセットされる時期です。 しかし実は、1月は事務管理のミスが起こりやすい月であることをご存じでしょうか? • 現場が再開して忙しい • 連休明けで情報の共有が途切れやすい • 年末に後回しになった書類が残っている

 
 
 
第6回 建設業は年末が危ない?労働時間の偏りと36協定の見直しポイント── 繁忙期でもトラブルを防ぐために ──

12月に入り、建設業界は毎年のように繁忙期を迎えます。 工期の締め切り、現場の最終仕上げ、年末年始休暇前の追い込み作業。 どうしてもバタバタしてしまう時期ではないでしょうか。 そんな中で特に増える問題が、「知らないうちに残業時間が膨らんでいた」というケースです。 年末は労働時間が偏りやすく、36協定の範囲を超えてしまうリスクも高まります。 今回は、建設業の中小企業の経営者の皆さまに、 年末に注意す

 
 
 

コメント


©2020 by 和泉事務所。Wix.com で作成されました。

  • Facebook
bottom of page